ホームへ
トップへ
ヒントへ

研究主題「豊かに広がる学びを求めて」
1995学習指導研究協議会要項 山形大学教育学部附属中学校

動く模型の設計と製作(機械)

第3学年4組技術・家庭科学習指導案
(生徒数 男20名 女20名)
場所 木材加工室
指導者 田中 秀明
A.題 材 動く模型の設計と製作(機械)

B.目 標

1 身近に用いられている機械に目を向け、生活をよりよくするための機械の活用のしかたに関心を持つ。

2 機械が生活に果たしている役割を見直し、機械を適切に活用しようとすることを目指して工夫し、創造することができるようになる。

3 歯車やリンク装置などの動きを伝えるしくみを用いて、簡単な動く模型の設計と製作ができる。

4 動く模型の設計と製作を通して、機械の構造やしくみに関する基礎的な事項について理解する。


C.研究主題と目標
 

1 教材観
 機械は、生活をより豊かにし、より便利にするために数多く利用されている。特に最近の機械は、コンピュータ制御の機能が組み込まれ、目的の仕事をスイッチ一つで自動的に行うものも普通になってきた。一方、機械の動きそのものは、ブラックボックス化され、その構成、動きを直接見ることができなくなってきている。

 本題材「動く模型の設計と製作」では、機械の構成がわかりやすい遊具の観察やモデル化を通して、機械の構成、動きを伝えるしくみを理解させたい。また、生活の中で何気なく用いている機械についての見方を広げていきたいと考えた。

 従来、機構学習は、理論が先行し、その応用として実物の機械を扱うという傾向があった。  特にリンク装置では、四つのリンクの組み合わせという概念から抜けきれないままに動く模型の設計に入り、設計でのつまずきとなる場合がみられた。動く模型では、各部の動きが連接棒やてこの応用であるという発想につながらないからである。

 そこで、玩具や遊具等の動きの中からそのしくみを探り、その後に一般化し、さらに動く模型の設計に応用させていく学習の流れを考えた。


2 生徒観

 生徒は、普段の生活の中でいろいろな機械を用い、1・2年生の技術・家庭科の授業の中で丸のこ盤、ベルトサンダ、ボール盤などの機械を用いてきた。手工具を用いるよりも能率よく、正確な加工ができるということを実感している。しかし、機械の学習は、難しそう、面倒くさそうと考える生徒もおり、特に女子にその傾向が多くみられる。

 そこで、機械の構成や動きを伝えるしくみを考えさせるために、玩具、遊具などの教材を用いて身近なイメージで学習に取り組めるようにしたい。また、動く模型を実際に製作させる中で、創意工夫をしたり、興味、関心をさらに育てたりしながら、身近な機械に対する見方を広げていきたいと考えている。


3 指導観

 技術・家庭科では、研究主題「豊かに広がる学びをもとめて」を「創意と工夫ある学習活動を通し、習得した知識と技能を生活の中で生きた力として発揮できること」ととらえた。

 研究主題に迫るために、学習活動を構成する四つの視点は次のように考えている。

 知的好奇心を喚起する学習活動では、実物の機械の動きの中から、その動きを伝えるしくみについて探っていこうとするとき、生徒にとってより身近である玩具や遊具等を用いることで、生徒が興味・関心を持って課題の解決にあたっていくことができるのではないかと考える。また、動く模型の製作において、試行錯誤しながら目的とする動きが得られることで完成の成就観を味わえるのではないかと考えた。

 構造的理解を促す学習活動は、実物の観察等の中から動きを伝えるしくみについて探り、それを一般化し、さらにその動きを利用して模型化することで、知識と技能が絡み合って定着できるようにしたい。また、各領域の関連という点から、1年生の木材加工と、2年生の電気で学んだことを動く模型の製作に生かしていきたい。
 
 表現力を高める学習活動では、学習課題を設定し、解決していく過程の中に、学級全体やグループ毎の話し合いの場をねらいに沿って適切に設定していく。また、一人一人が各自の構想をまとめ、粘り強く製作に取り組ませ、目的とする動きが得られるようにしたい。

 行動化できる力をつける学習活動は、機構学習で学んだ知識と技能を自分のものとして、動く模型の製作に活用できるようにしたい。さらに、普段何気なく使っている機械に対する見方を広げていくことで、機械と生活との関わりを考えさせたい。

 本時は、機械の動きを伝えるしくみのうち、リンク装置(3時間)の1時間目である。ここでは、実物の機械を観察し、動きを伝えるしくみを探ろうとするものである。そのために、玩具、遊具の中で、リンク装置を発見させやすいものを用いる。また、グループ毎に互いのやりとりで情報を交換して、図面にかいたり、模型化したりしながら、動きを伝えるしくみを考えさせたい。以上のような配慮をし、知的好奇心を喚起させ学習活動を活発なものにしていきたい。

D.指導計画(25時間扱い)
学習活動
展開の大要
1 機械の発達と、生活との関わりをまとめる。(1) ○ いろいろな仕事に用いる道具や機械を挙げ、機械と道具の違い、発達の歴史、現代の機械の特徴をまとめる。
2 身近にある機械の構成について観察し、まとめる。(1) ○ 自転車の各部の構成を、動力を受け、他に伝える部分、仕事をする部分、運動の方向や速さを変えたり操作したりする部分、これらを固定したり支えたりする部分に分類する。
3 機械の動きを伝えるしくみと 機械要素、機械材料についてまとめる。
本時 3/8(8)
○ 動力を伝えるしくみを身近な機械から探り、それぞれの特徴をまとめる。

・摩擦車、歯車伝動のしくみ

・ベルト、チェーン伝動のしくみ

・リンク装置のしくみ

・カム装置のしくみ

○ 機械要素や、機械材料について、実物を観察したり資料を利用したりしてまとめる。

4 動く模型の構想を図にまとめる。(4) ○ 動く模型の目的とする動きとしくみを考える。

○ 機構模型を試作して動きを確かめる。

○ 動く模型の構想を図にまとめる。

5 動く模型の製作を行い、目的とする動きになるように調整する。(10) ○ 作業の安全に配慮しながら、構想図に基づいた部品加工、組み立てをする。

○ 目的とする動きが得られるように、動く模型の点検と調整をする。

○ 完成した動く模型を発表し合う。

6 機械の進歩と、生活や産業での利用との関係について考える(1) ○ 実際の機械をもとに、機械と生活や産業での利用との関係や、環境問題への配慮を調べる。

E.本時の指導
 

1 目 標

 実物の機械の動きを観察して、その動きを伝えるしくみを説明することができる。

2 過 程(*テーマに迫るために)

学習活動
教師の働きかけ(指導上の留意点)
評 価
1 実物の機械の動きを観察する。
 
 

2 動きの観察の中から本時の学習課題を確認する。

○ 実物に手を触れながら、動きを確認させる。
 
 

○ 機械の動きを伝えるしくみを課題として確認する。

○ 機械の動きに関心を持って観察しようとしているか、生徒の活動の様子からみる。

○ 課題を自分のものとして捉えているか、発表、表情から見る。

 この機械の動きを伝えるしくみはどうなっているのだろうか。
3 動きを伝えるしくみ

 をグループ毎に探る。
 
 
 
 
 
 
 
 

4 グループ毎に考えたしくみを発表し合い、 本時の学習についてま とめる。


 
  • 活動内容を説明、指示する。
* 動きを伝えるしくみを探る方法は限定せず、グループ毎に模型化図面、話し合い等で課題の解決にあたらせる。

<知的好奇心を喚起する学習活動>

○ グループ毎に考えたしくみを、学習プリントに記入させる。

○ いくつかのグループに発表させるとともに、同じようなしくみを用いた機械の例を挙げさせる。


 

* 課題解決のためにグループ毎にどんな方法 で探ろうとしているのか、また、その動きを伝えるしくみを説明できたか、机間指導によって観察し、その後の 学習プリントへの記入状況、発表によってみる。

 


ホームへ
トップへ
ヒントへ