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研究主題「豊かに広がる学びを求めて」
1994学習指導研究協議会要項 山形大学教育学部附属中学校

簡単な木製品の設計と製作(木材加工)

第1学年1組 技術・家庭科学習指導案
(生徒数男20名、女20名)
場所 木材加工室
指導者 田中 秀明
A.題 材 簡単な木製品の設計と製作(木材加工)

B.目 標
 

1.木材について関心を持ち、生活をよりよくするために、進んで木製品を製作しようとする意欲的な態度を育てる。

2.木材が生活に果たしている役割を見直し、木材を効果的に活用することを目指して工夫し、創造する能力を養う。

3.木材の性質や特徴を生かした構想をまとめ、木材加工の基礎的な技術を身につけて、簡単な木製品を製作させる。

4.木材や木材加工に関する基礎的な事項と、生活と木材とのかかわりについて理解させる。


C.研究主題と授業
 

1.教材観
 身のまわりの生活の中で、数多くの木製品が用いられ、また、手軽な加工用素材として 簡単に入手できる材料であり、生徒にとっても身近なものである。

ここでは、日常生活の中で活用できる板材を用いた木製品を構想し、使用目的が同じものでグループを構成して設計をまとめ、製作を行おうとするものである。

 その前段階の基礎題材として、丸太材と板材を用いて簡単なミニカセットラックの製作を行う。この基礎題材で木材加工の基礎的技術のうち、木取り、切断、組み立てをひと通り経験し、失敗や反省の中から課題となることを洗い出して、次の主題材の製作に生かせ るようにしたい。また、丸太材を用いることで、生徒の興味、関心を持たせながら、木材の性質や構造、間伐材の有効利用なども合わせて指導していきたいと考える。

木材加工は技術・家庭科で初めて学ぶ領域であり、加工学習の基礎としても大切にしていきたい領域である。基礎題材と主題材を配列することで繰り返し学習する場を設定し、基礎基本を定着させるとともに、加工工程など見通しを持って作業に取り組んでいく力を 育てていきたいと考えている。


 2.生徒観

 自分から何かものを作るという経験を持っている生徒は、年々減少してきている。事前のアンケートをみても、本クラスの中に、例えば、のこぎりを使った切断をしたことのない生徒が7名いるなど、経験の少なさを物語っている。あるいは、経験があっても一度だけとか、うまくいかなかったと思っている生徒が大部分であり、基礎基本となることを確実なものにしていく必要がある。一方、ものを作ることに関しては、ほとんどの生徒が、好き、あるいは、得意ではないが好きとこたえ、作ることに対する期待を持っている。これは、初めて学習する技術・家庭科、あるいは、木材加工という領域に対しての期待でもあり、意欲を持って取り組んでいる。技術・家庭科学習の導入領域として、また、加工学習の基礎として、この意欲を大切にしながら指導していきたい。


 3.指導観

 技術・家庭科では、研究主題「豊かに広がる学びをもとめて」を「創意と工夫ある学習活動を通し、習得した知識や技能を生活の場で生きた力として発揮できること」ととらえた。研究主題にせまるために、学習活動を構成する4つの視点は、次のようにとらえている。

 知的好奇心を喚起する学習活動は、素材としての丸太材を扱い、実際に木材の構造を確 認したり、基礎題材として、丸太材などを加工した簡単な作品を製作させることで、興味、関心を持って学習に取り組むことができるのではないかと考える。また、この基礎題材の 製作によって、木材加工の基礎的技術を習得する上での課題となることを洗い出し、本題材の製作に生かす。つまり、失敗や反省などを次に生かしていくことで、技能の向上を実感したり、完成の成就観を味わえるのではないかと考えた。

 構造的理解を促す学習活動では、丸太材の観察や実験、加工などから木材の特徴や性質をとらえていったり、木工具の使い方を理解した上で、正確な作業ができるなど、理論と 実践を交互に学びながら、知識と技能が定着すること、あるいは、木材と生活とのかかわりを考え、自分の生活を見直すことなどを目指していきたい。

 表現力を高める学習活動では、課題を設定したり、解決していく中で、発表の場を多く設定していきたい。そして、一人一人の思いを構想にまとめ、粘り強く製作に取り組み、一つの作品を完成させていきたいと考えている。

行動化できる力をつける学習活動は、失敗や反省、あるいは繰り返し学ぶ中で、知識や技能を自分のものとして次の学習に生かしていきたい。さらに、加工学習の基礎として、次の製作場面に、加工工程など見通しを持って取り組めるように発展させていきたいと考えた。


D.指導計画35時間扱い
 

学習活動
展開の大要
1.木材の特徴や性質を、資料や実物の観察を通してまとめる。(4)
 
 
 

 

○身近な木製品をあげ、金属やプラスチックなどの他の材料と比較をしながら、木製品の特徴をまとめる。

○丸太材の観察や、木材の顕微鏡写真を見て、木材の各部の名称、構造、繊維があることをまとめる。

○木材の変形について、実物の観察によって確かめ、ビデオを使ってまとめる。

○繊維方向と強さの関係を試験材を使って確める。

2.ミニカセットラックの製作を行い、木材加工の基礎的技術を経験して、課題となることをまとめる。(6)
 

 本時 5/6
 

 

○材料の木取りを行い、木取りのしかたについてまとめる。

○材料の切断を行い、のこぎり引きのしかたについてまとめる。

○くぎによる接合を行い、組み立てのしかたについてまとめる。

○作業の結果や、完成した作品を見て、反省を出し合い、課題となることをまとめる。

○木材の加工工程と、作業の安全についてまとめる。

3.立体のあらわし方についてまとめる。(4) ○立体のあらわし方を、キャビネット図、等角図、三角法に分けて、それぞれの特徴をまとめる。

○等角図によって、簡単な立体をかき表す。寸法記入や線の太さの違いについてまとめる。等角図によって、簡単な制作図のかき表し方をまとめる。

4.簡単な木製品の構想を構想図にまとめる。(6) 使用目的に即した木製品の構想をまとめる。

○使用目的が同じものでグループを構成し、一つの構想にまとめ、構想図、木取り図にかき表す。

5.構想図に基づいて、簡単な木製品の製作をする。(14)

 
 
 
 
 
 

 

○基礎題材での課題を確認し、安全に配慮しながら構想図をもとにして製作を行う。

 ・繊維方向を考えた木取りをする。

 ・マルチソーを用いて、材料の切断をする。

 ・平かんなを用いて部品のこばけずりをする。

 ・ボール盤を用いて下穴あけをする。

 ・仮組立を行い、組立順序の確認と部品の調整を行う。

 ・げんのうを用いて、くぎによる接合をする。

 ・紙やすりを用いて、素地みがきを行う。

 ・水性透明ニスによる、塗装を行う。

6.木材と生活とのかかわりについて考える。(1) ○互いの作品を鑑賞しあう。

○木材と人間のかかわりをまとめる。

E.本時の指導

1.目 標   
a. 組み立ての手順、方法がわかり、治具を用いて部品の組み立てをすることができる。

b.完成した作品を見て、組み立てに関する課題をまとめることができる。


2.過 程(*テーマに迫るために)

学習活動
教師の働きかけ
指導上の留意点
本時の学習課題を把握する。
 
 
 
 

2.組み立ての手順、方法を考える。
 
 
 
 

3.グループごとに組み立てをする。
 
 
 

4.本時の学習についてまとめる。
 

組み立てを行うことを課題として提示する。

――課題――

部品を組み立て、ミニカセットラックを完成させよう。
 

○代表の生徒にくぎ打ちをさせ、組み立ての手順、方法を確認する。
 
 
 

グループごとに組み立てをしなさい。
 
 
 

○ 組み立てた作品を見て、作業について反省をさせる。

それぞれの課題とすることを明確にして学習プリントに記入させる。
 
 
 

代表者の演示の中から、接合の順序、げんのうの使い方、くぎの位置、治具の使い方、補助のしかたをまとめる。
 

* グループ内の2人組で協力しながら、治具を用いてくぎによる接合を行う。
 
 

* 具体的に、組み立てに関する課題を学習プリントにまとめさせ、次の製作に生かせるようにする。

3.評  価
 
 生徒の活動の様子、発表、学習プリント、作業結果などから次のことを評価する。
a. 組み立ての手順、方法がわかり、治具を用いた部品の組み立てができたか。

b.完成した作品を見て、組み立てに関する課題をまとめることができたか。


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