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研究主題「豊かに広がる学びを求めて」
1993学習指導研究協議会要項山形大学教育学部附属中学校

動く模型の設計と製作(機械、情報基礎)

第3学年2組 技術・家庭科学習指導案
(生徒数 男20名 女20名)
場所 木材加工室
指導者 田中 秀明
A.題 材 動く模型の設計と製作(機械、情報基礎)

B.目 標

1 身近に用いられている機械について関心を持ち、生活をよりよくするために進んで機械を活用しようとする態度を育てる。

機械が生活に果たしている役割を見直し、機械を適切に活用する事を目指して工夫し、創造する能力を養う。

歯車やリンク装置などの運動を伝えるしくみを利用した、簡単な動く模型の設計と製作を行い、その動きをポケットコンピュータで制御できるようにする。

動く模型の製作を通して、機械の構造やしくみに関する基礎的な事項を理解し、コンピュータによる制御を関連付けてとらえることができるようにする。 


C.研究主題と授業

 
1.教材観
 現代社会において、人間の生活をより豊かに、より便利にするために、数多くの機械が使われている。特に最近では、機械の中にコンピュータが組み込まれ、スイッチ一つで記憶、認識、制御などのはたらきをする自動機械を意識せずに用いるようになってきている。
 
 ここでは、簡単な動く模型の設計と製作をすることで、機械の構造、運動を伝達するしくみを理解させるとともに、その模型をポケットコンピュータで制御することで、コンピュータの利用分野の一つを理解させたい。

 その前段階として、簡単な2モーター模型をポケットコンピュータで制御させ、コンピュータの役割、プログラムの意味をとらえさせたい。このことで、ポケットコンピュータを用いるとどんな動きをするのか理解した上で、自分の考案した模型の制御に応用、発展させたいと考えた。

 機械の学習については、運動伝達のしくみを歯車、四節リンク機構にしぼって指導し、動く模型の製作に生かせるようにしたい。

 ポケットコンピュータによる制御では、内蔵のBASICを用いて、モーターの動作の指示を与えるLPRINT文と、その動作時間を設定するFOR〜NEXT文による簡単なプログラムを作成して自分の目的とする動きが得られるようにしたい。
 

2.生徒観
 機械の学習を考えるとき、一般的に興味、関心の度合いは男子が高く、女子が低くなる傾向がみられる。しかし、実際には、生活の中でいろいろな機械を用いることも多く、普段、何気なく使っている機械の中でどんな動きがあるのか、どんなしくみになっているのかを理解することに男女の区別はない。本校生徒の実態をみても、機械領域に対する関心の度合いも男女差よりも個人差が大きい。
 
 一方、コンピュータに関する経験は、生徒全員が、1・2年生までに数学等の教科でパソコンを活用した経験を持っている。また、家庭においても、パソコンやワープロを使ったことがある生徒が大部分であり、プログラム作りなどをしている生徒も2名いるなど、コンピュータを用いることは日常化してきている。そのため、コンピュータに対する生徒の関心は高く、機械領域と情報基礎領域を融合させることによって、意欲的に学習に取り組んでいる。
3.指導観
 技術・家庭科では、豊かに広がる学びを「創意と工夫ある学習活動を通し、習得した知識・技能を生活の場で生きた力として発揮できること」ととらえた。そのために、次の四つを重点に研究を進めていきたいと考えた。
 
a. 基礎学習→応用・発展学習の設定。

b. 体験的学習の設定。

c. 一人一人が力をつけていってのグループ活動の活発化。

d. 学習する領域の系統化。


 ここでは、簡単な動く模型の設計と製作を行い、その動きをポケットコンピュータで制御させるわけであるが、その前段階として、グループごとに同じ2モーター模型を制御させる場の設定を行った。ポケットコンピュータ内蔵のBASICのLPRINT文、FOR〜NEXT文を用いてプログラムを作成すると、2つのモーターの動きを別々に制御することができ、前進、後退だけでなく左折、右折、回転などの動きを得ることができる。このことを理解させることで、実際に自分の考案した動く模型の制御に応用、発展できるものと考えた。また、動く模型の制御を通して、情報基礎領域の一部である簡単なプログラムの作成、コンピュータの利用分野について学習することになるが、情報基礎領域単独ではなく、機械領域と融合させることによって、生徒の興味、関心を保ちながら、より「生きた力」が身に付けられるのではないかと考えた。


D.指導計画(25時間扱い)

学習活動
展開の大要
1 機械の発達と、生活とのかかわりを資料を利用してまとめる(1) ○ 道具から機械への発達の歴史を調べる。

○ 現代の機械の特徴をまとめる。

2 身近にある機械の構成やしくみについて観察し、まとめる。(1) ○ 自転車の各部の構成を、動力を受け入れる部分、 伝える部分、仕事をする部分、これらを支える部分に分類する。
3 運動を伝えるしくみを実物や資料を利用してまとめる。

(3)

 

○ 運動を伝える部分のしくみを身近な機械からさぐり、それぞれの特徴をまとめる。

○ 歯車伝達の特徴と、ギヤ比、回転比についてまとめる。

○ 四節リンク機構の動力伝達のしくみと特徴についてまとめる。

4 ポケットコンピュータを用いて、2モーター模型の動きを制御する。

(5)

本時4/5
 
 

 

○ ポケットコンピュータの基本操作を覚える。

○ BASICのLPRINT文、FOR〜NEXT文を用いて、二つのモーターを制御するプログラムを入力する。

○ ポケットコンピュータとインターフェースを接続し、プログラムを実行して、2モーター模型の動きを制御する。

○ 課題に基づいたプログラムの入力と実行、修正をする。

○ プログラムの役割を知る。

5 動く模型の設計と製作を行いポケットコンピュータでその動きを制御する。

(14)
 
 

 

○ 動く模型の目的とする動きとしくみを考え、構想図にまとめる。

○ 作業の安全に配慮しながら、構想図に基づいた部品加工、組み立てをする。

○ 動く模型の点検、調整を行う。

○ 動く模型を制御する課題を設定し、課題に基づいたプログラムをポケットコンピュータに入力する。

○ ポケットコンピュータで動く模型の動きを制御しプログラムの実行、修正をする。

6 機械の進歩と、生活や産業での利用との関係について考える

(1)

実際の機械をもとに、安全対策や環境問題への配慮を調べる。

E.本時の指導

1.目 標

  ポケットコンピュータのBASICを用いて、簡単なプログラムを組み、2モーター模型を目的とする動きに制御できる。

2.過 程(* テーマにせまるために)

学習活動
教師の働きかけ
指導上の留意点
1.本時の学習課題を把握する。 ○ 2モーター模型を制御する動きを課題として提示する。 目的を持った動きに制御するためにプログラムを組むことを確認する。
一辺1mの正方形上を動いて、もとに戻ってくる動き

2.課題とする動きを得るための2モーター模型の動きを確認する。

3.グループごとにポケットコンピュータにプログラムを入力する。

4.ポケットコンピュータと2モーター模型を接続し、プログラムの実行と修正をする。

5.課題とする動きを得るための方法を考える。


○ 一辺1mの正方形上を動いてもとに戻ってくるためには2モーター模型はどんな動きをするだろうか。

グループごとにプログラムを入力しなさい。
 
 

○ プログラムを実行し、1m前進し、90゜曲がるように修正させる。
 
 

○ 正方形上を動いてもとに戻るためには作ったプログラムをどうすれば良いだろうか。


○ 2モーター模型の動きを直進と90゜曲がることの繰り返しであることに気づかせる。
 

○ 1m前進して90゜曲がる部分に限定してプログラムを組ませる。
 

* 目的とする動きが得られるように、グループごとに話し合いながら修正と実行をさせる。
 

○ 繰り返しの命令を用いれば良いことに気づかせ、次時への課題とする。

3.評 価
 
 BASICのプログラムを組み、目的とする動きに2モーター模型を制御できたか、机間巡視等で評価する。

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